はじめての親子ボランティア:古本の回収・寄付を通じた支援活動を始める前に知っておきたいこと
お子さんと一緒に社会貢献をしたいとお考えの親御さんにとって、身近な古本の回収や寄付を通じた支援活動は、手軽に始めやすいボランティアの一つです。自宅にある不要になった本を整理し、必要としている人や団体に届けるこの活動は、親子で一緒に取り組むことで、物の大切さや社会との繋がりを学ぶ貴重な機会となります。
しかし、いざ始めようと思っても、「どんな本が寄付できるのだろう」「どこに送れば良いのだろう」「子どもと一緒にどう進めたら良いのか」といった疑問や不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、親子で取り組む古本の回収・寄付を通じた支援活動について、その内容から具体的な始め方、注意点までを分かりやすく解説します。はじめての親子ボランティアとして、古本活動を始めてみたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
古本の回収・寄付を通じた支援活動とは
古本の回収・寄付を通じた支援活動とは、ご家庭などで不要になった本を集め、それを必要としている場所へ届けたり、専門の業者を通じて換金し、その収益を様々な社会貢献活動に役立てたりするボランティアです。
この活動で集められた本やその収益は、以下のような形で活用されることがあります。
- 発展途上国への教育支援: 学校や図書館がない地域へ本を送る、学校建設の資金にする
- 国内の福祉施設や教育機関への寄付: 病院、高齢者施設、子ども食堂、学校の図書室などへ本を提供する
- 特定の病気や災害で困っている方への支援: 医療研究費、被災地支援などに収益を充てる
- 環境保全活動: リサイクルの推進
単に本を片付けるだけでなく、その本が誰かの役に立つことに繋がる、意義のある活動です。
親子で古本活動に取り組むメリット
親子で一緒に古本の回収・寄付活動に取り組むことには、様々なメリットがあります。
- 社会貢献の意識を育む: 自分たちの持っている本が、他の誰かを助ける力になることを実感できます。「ありがとう」の気持ちや、困っている人に手を差し伸べることの大切さを自然と学ぶ機会になります。
- 物の大切さを学ぶ: 大切にしていた本、読み終わった本を整理する過程で、それぞれの本に価値があること、そしてそれを次に活かすことができることを学びます。リサイクルや再利用の意識も芽生えます。
- 親子のコミュニケーションが増える: どの本を寄付するか、どのように整理するかなどを一緒に話し合いながら作業することで、共通の時間が増え、親子のコミュニケーションが深まります。
- 自宅の整理整頓につながる: 不要な本が整理されることで、お部屋がすっきりします。物を循環させる仕組みを学ぶきっかけにもなります。
- 手軽に始めやすい: 大がかりな準備や特別なスキルは不要です。ご自宅にある本を活用できるため、思い立った時に比較的容易に始められます。
活動を始める前の準備
古本の回収・寄付活動を始める前に、いくつかの準備をしておきましょう。
1. 寄付できる本の種類を確認する
全ての古本が寄付に適しているわけではありません。受け入れ団体によって基準は異なりますが、一般的に以下のような本は寄付が難しい場合があります。
- ひどい汚れ、破れ、シミ、水濡れがある本
- 書き込みや線引きが多い本
- 百科事典、辞書、専門書で情報が古くなっているもの
- 雑誌(特に古いもの)、マンガ雑誌
- 教科書、参考書
- 百科事典のセールス用小冊子など、非売品
- 名前が書いてある本
事前に寄付を希望する団体や業者に、受け入れ可能な本の種類について確認することをおすすめします。
2. 自宅にある本を整理する
お子さんと一緒に、自宅にある本を全て集めてみましょう。「もう読まない本」「これからも大切にしたい本」などに分類していきます。お子さんの成長に合わせて、読み終わった絵本や児童書などもたくさんあるかもしれません。
この時、「これは面白かったね」「この本は〇〇について教えてくれたね」など、本にまつわる思い出や内容について話しながら作業すると、お子さんも楽しく取り組めます。
3. 寄付する本を選ぶ
分類した中から、寄付に回せる本を選びます。前述の「寄付できる本の種類」を参考にしながら、状態の良い本を選びましょう。
選ぶ基準をお子さんと一緒に考えると、「どんな本なら喜んでもらえるかな?」と相手のことを考えるきっかけになります。
寄付先を見つけよう
古本の寄付を受け付けている団体や業者は数多く存在します。インターネットで「古本 寄付」「本 回収 支援」といったキーワードで検索してみましょう。
主に以下のような場所が寄付先として考えられます。
- NPO/NGO(特定非営利活動法人/非政府組織): 様々な社会課題に取り組む団体が、活動資金のために古本を受け付けている場合があります。団体のウェブサイトで活動内容や本の送付方法、収益の使途などを確認しましょう。
- 専門の古本買取業者: 社会貢献プログラムとして、古本の買い取り価格をそのまま特定の団体に寄付している業者があります。自宅まで集荷に来てくれるサービスを行っている場合もあります。
- 自治体や地域の図書館: 一部の自治体や図書館で、イベント時などに古本の回収を行っている場合があります。
- 地域の福祉施設や学校: 直接、施設に問い合わせて受け入れ可能か確認する方法もあります。
寄付先を選ぶ際は、その団体や業者がどのような目的で古本を活用しているのか、送料は自己負担か、といった点を事前に確認することが大切です。
寄付する方法と注意点
寄付する本が決まり、送付先が見つかったら、いよいよ寄付の手続きです。
1. 寄付する方法
寄付の方法は、主に以下の二つがあります。
- 持ち込み: 直接、寄付を受け付けている場所やイベント会場に本を持ち込みます。お近くで回収を行っている場所があれば、送料がかからず便利です。
- 郵送: 寄付先の住所に本を梱包して送ります。多くの団体や業者がこの方法を受け付けています。段ボールに詰めて送るのが一般的です。
専門の古本買取業者の場合、一定量以上の本があれば自宅まで集荷に来てくれるサービスを提供していることもあります。
2. 梱包時の注意点
郵送で送る場合は、本が傷まないように丁寧に梱包します。
- 段ボール箱の底をガムテープでしっかりと補強する。
- 本を隙間なく詰める。隙間がある場合は、新聞紙などを緩衝材として詰める。
- 水濡れを防ぐために、本をビニール袋に入れてから箱に詰めるのも有効です。
- 個人情報が記載されている紙(挟み込みのメモなど)がないか最終確認する。
3. 送料について
送料は、寄付を受け付ける団体や業者によって扱いが異なります。
- 発払い(自己負担)
- 着払い(相手負担)
- 一定量以上の場合は着払いになる
事前にウェブサイトなどで送料の負担について必ず確認しましょう。
4. 個人情報の取り扱い
送付伝票に記載した氏名や住所などの個人情報がどのように扱われるか、プライバシーポリシーなどを確認しておくと安心です。
子どもと一緒に楽しく活動するコツ
親子でこの活動をさらに楽しく、学びの多いものにするために、いくつかのコツをご紹介します。
- 役割分担をする: 本を集める係、埃を拭く係、箱に詰める係など、お子さんの年齢や体力に合わせて役割を分担すると、当事者意識を持って取り組めます。
- 感謝の気持ちを伝える: 寄付活動は、受け取る人だけでなく、送り出す側も気持ちが温かくなる活動です。本に「大切に読んでもらえますように」といったメッセージカードを添えるのも良いかもしれません(ただし、団体のルールに従ってください)。
- 寄付先の活動を一緒に調べる: 寄付した本やお金がどのように使われるのか、寄付先のウェブサイトなどを親子で一緒に見てみましょう。自分たちの行動が具体的にどのような支援に繋がっているのかを知ることで、達成感や満足感が得られます。
- 活動の振り返りをする: 活動が終わった後、「どんな本があったかな」「誰かの役に立てるってどんな気持ちかな」など、お子さんと一緒に活動を振り返る時間を持つことで、学びが定着します。
安全面への配慮
古本は冊数が増えるとかなりの重さになります。お子さんと一緒に作業する際は、以下の点に注意し、安全を最優先してください。
- 無理のない量で: 一度に大量の本を運ぼうとせず、複数回に分けたり、台車を利用したりするなど、無理のない範囲で行いましょう。
- 持ち運び注意: 重い本を扱う際や、段ボール箱を運ぶ際は、腰などに負担がかからないよう注意してください。お子さんに重い荷物を持たせないようにしましょう。
- 清潔な環境で: 長期保管されていた本は埃が多い場合があります。必要に応じてマスクを着用したり、作業後に手洗いをしっかり行ったりしましょう。
まとめ
古本の回収・寄付を通じた支援活動は、お子さんと一緒に家庭で無理なく始められる、素晴らしいボランティアの一つです。物の循環を学び、社会貢献の第一歩を踏み出すことができます。
はじめてで不安を感じるかもしれませんが、まずはご家庭にある数冊の本から始めてみてはいかがでしょうか。この記事を参考に、ぜひお子さんと一緒に、読まなくなった本に新たな命を吹き込む活動にチャレンジしてみてください。きっと、心温まる経験と学びが得られることでしょう。