はじめての親子ボランティア：入院中の子どもたちへ手紙・絵を贈る活動を始める前に知っておきたいこと
親子でボランティア活動を始めたいとお考えの皆様の中には、どのような活動なら無理なく、そして安全に参加できるのかと迷われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。外での活動が難しい場合や、小さなお子様と自宅で手軽に始めたいという方におすすめなのが、「入院中の子どもたちへ手紙や絵を贈るボランティア」です。
この活動は、長期の入院などでつらい日々を送る子どもたちに、手紙や絵を通して励ましや温かい気持ちを届けるものです。ご自宅にいながら、お子様と一緒に楽しみながら取り組むことができます。この活動を始める前に知っておきたいことや、スムーズに進めるためのポイントをご紹介します。
なぜ入院中の子どもたちへの手紙・絵のボランティアがおすすめなのか
入院中の子どもたちは、病気と向き合う大変さに加え、家族や友達と離れた寂しさ、遊びや学びが制限されることによるストレスなどを感じています。そのような状況にある子どもたちにとって、外部からの温かいメッセージは大きな励みとなります。
この活動に親子で取り組むことは、お子様にとって他者を思いやる気持ちや、社会貢献の大切さを学ぶ貴重な機会となります。また、親子の共同作業を通じてコミュニケーションを深め、完成した手紙や絵を届けることで達成感を得られるでしょう。
具体的な活動内容
手紙や絵を贈るボランティアの具体的な活動内容は、文字通り「手紙を書くこと」や「絵を描くこと」です。
- 手紙を書く: 入院中の子どもたちへの応援メッセージや、季節のご挨拶、自分の好きなことなどを書きます。お子様と一緒に、楽しかった出来事や好きなキャラクターの話などを盛り込むと良いでしょう。
- 絵を描く: ぬり絵をしたり、自由な発想で明るく楽しい絵を描いたりします。折り紙や簡単な工作を添えることも喜ばれる場合があります。
作成した手紙や絵は、活動を仲介する団体や病院などを通じて子どもたちに届けられます。
始める前に知っておきたい注意点
親子で手紙・絵のボランティアを始めるにあたり、いくつか注意しておきたい点があります。これらを事前に把握しておくことで、安心して活動に取り組むことができます。
1. 活動を仲介する団体を選ぶ
入院中の子どもたちへ手紙や絵を届ける活動は、多くの場合はNPO法人や公益財団法人、あるいは特定の病院と連携した団体などが仲介しています。インターネットなどで「入院中の子ども 手紙 ボランティア」「病院 子ども 支援 手紙」といったキーワードで検索し、信頼できる活動団体を見つけることが第一歩です。団体のウェブサイトなどで活動内容や規約をよく確認しましょう。
2. 個人情報の取り扱いに配慮する
手紙には、ご自身の名前（名字のみ、あるいはペンネームでも良いでしょう）や、お子様の名前（下の名前やニックネームなど）を書くのは問題ありません。しかし、住所や電話番号、メールアドレスなどの連絡先、学校名など、個人を特定できる情報は書かないようにしましょう。これは、ご自身の安全のためであると同時に、手紙を受け取る子どもたちやそのご家族のプライバシーを守るためでもあります。多くの仲介団体でも、個人情報の記載に関するルールが定められていますので、必ず確認してください。
3. 手紙や絵の内容に注意する
受け取る子どもたちの状況は様々です。病気のことや治療のことなど、つらい気持ちを思い出させるような内容や、励ましのつもりでもプレッシャーになるような表現は避けましょう。明るく、前向きな内容を心がけることが大切です。
- 病気や入院生活に関する直接的な質問は避ける
- 「頑張って」「早く元気になって」などの定型的な励ましより、「早く一緒に〇〇ができるといいね」のように、未来への希望を共有するような表現や、具体的な楽しかった出来事を書く方が気持ちが伝わりやすい場合があります。
- 高価なものを贈るような表現や、約束をするような内容は避ける。
- 宗教や政治的な内容、個人的な宣伝などは含めない。
絵を描く際も、子どもが見て不安になるような暗い色使いやテーマは避け、明るく楽しい絵を心がけましょう。
4. 成果や返信は期待しすぎない
このボランティアは、一方的な善意で行うものです。手紙や絵を送った相手から、必ずしも返信があるとは限りません。子どもたちの体調や状況によっては、返事を書くことが難しい場合もあります。送ったものが相手に届き、少しでも気持ちが和らぐことを願って行う活動であることを理解し、見返りを求めすぎない姿勢が大切です。この点は、お子様にも事前に優しく説明しておくと良いでしょう。
5. 費用について
手紙や絵を作成するための紙やペン、色鉛筆などの材料費、そして送る際の切手代などは、基本的に自己負担となります。活動団体によっては、送料を負担してくれる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
活動を始めるためのステップ
- 活動団体を探す: インターネットなどで検索し、信頼できる団体を見つけます。
- 団体のルールを確認する: ウェブサイトや問い合わせを通じて、個人情報の扱い、手紙や絵の内容に関する注意点、送付方法などを詳しく確認します。
- 手紙や絵を作成する: お子様と一緒に、受け取る子どもたちのことを思い浮かべながら、心を込めて作成します。
- 送付する: 定められた方法に従って、手紙や絵を団体や指定の場所に送ります。
まとめ
入院中の子どもたちへ手紙や絵を贈るボランティアは、親子で温かい気持ちを分かち合いながら、社会とつながる素晴らしい機会です。活動を始めるにあたっては、信頼できる団体を選び、個人情報や内容に十分配慮することが大切です。これらの注意点を踏まえ、ぜひ親子で楽しみながら、一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと、活動を通じて得られる経験が、お子様の成長にとってかけがえのないものとなるはずです。